唐津市 牧山ファミリーホーム

平成24年7月、牧山夫妻・補助者・2人の実子で牧山ファミリーホーム(以降FHで略称)をスタート。今夏9年目を迎える。
ご主人はサラリーマンを経て児童養護施設に勤務し現在に至る。奥様は、児童養護施設(当時ではFHの先駆けとなる施設内にて、夫婦が施設の子どもたち十数人一緒に暮らすホーム制)に勤務。その時の、ご夫婦と子ども達との関係性が大きい家族のように心地良く、いつか自分にもできたら…という思いをずっと持っていたとのこと。ご主人も同施設内で勤務されそのご夫婦と暮らす子ども達は心が安定していたことを実感。施設では24時間交代勤務、いつも一緒に居て子どもの心に寄り添いたいが限界がある。「寝る時と起きた時の顔が一緒であることで子どもは安心し心の安定につながる」その温め続けてきた思いを胸にFHを立ち上げられる。

唐津市 牧山ファミリーホーム(以降FHで略称)を訪問してきました。

スタートしてすぐに11歳のA君がホームの一員となる。実子とA君の距離はすぐに縮まり、その後も実子の存在は委託される子ども達にとって、お兄さんであり遊び仲間であり、可愛がられた経験は受け継がれ、子ども達みんな仲が良い様子が伺えた。委託される年齢は幼稚園~高校生と様々。中高生は思春期も迎える。もちろん喧嘩もするし煮詰まるときもある。今までの実体験を思い出しながら「小さい頃に可愛がられていたら思春期は大丈夫!」と何度も頷かれていたのはとても印象的だった。また、実親と離れた子どもが寂しい思いをしないように「自分の子どもと同じにしてあげたい。」との思いは熱く、この間はビンゴ大会盛り上がったよねと写真を見せて頂いたがみんな寄り合い盛り上がっていた。
FHとして、いつか実親の元に帰る日を視野に入れ、ここに居ながら実親と良い関係性を作っておいてほしいことや、子どもが成長していく中で「実親のサポートができる自立」ができるよう子どもへも配慮されている。年に数回子どもが実親の元へ帰省をしているうちに、実親と良い関係性ができているところもあり、実親が安心して相談できる場所になればと子どもも実親も気遣う優しい思いは深く広い。
スタート時、委託を受けたAくんが、今春、高校を卒業し家族のもとへ巣立った。今でも時々連絡があり、彼の成長を喜ぶと共に送り出した安堵、そして一緒に暮らしている時は家族の様に、巣立った後は親戚のおじちゃんおばちゃんのような存在で、連絡を取り合い、ずっと応援していきたいとのこと。
最後に、FHを続けてきて思う事を伺うと、今を大事に思い、家族の様に暮らしているが、それはどこで結果がでるかわからない…ここでの生活は将来、どんな風に残るのかな…と感慨深く語られながらも、学校の行事等で子どもからの手紙を大切に保管されており、その中にはここで生活して楽しい、ご飯を作ってくれてありがとう、子ども達から感謝の気持ちが綴られていた。
追記:牧山ご夫妻にお話しを伺う間、なんと居心地の良い穏やかな空間。子ども達への愛があふれていました♡お二人の愛情は子ども達の心に深く刻まれているのだろうなぁ~と私まで幸せな気持ちと癒された時間を過ごすことができました。☆牧山ご夫妻に感謝☆

取材者 こねくと野口