H里親さん ~2022年さとおやこ文集より~

委託前の交流中に書かれた作品です。
その後、令和4年に6歳のRちゃんを養育里親として迎え入れられました。
ご夫婦、実子ともにとても仲が良く、家族愛溢れたご家庭です。

表紙の写真は「はじめてのラブレター」委託に向けての交流中、覚えたてのひらがなで、
ぎこちない握り方で「お母さん だいすき」キュンキュン♡ はじめてのラブレター♡一生の宝物です!

運命の人

私が養育里親を決めた頃、ニュースで虐待・貧困・殺人…を見るたび心が痛くて痛くて、何も出来ない、何もしてやれない自分に悔しくて悔しくて、悶々としていました。

以前から、子ども食堂がしたいと思いながら忙しい毎日に追われ、このコロナ禍になり全てがストップした頃、心に余裕ができたのか自分でもビックリするくらい後先考えず、

たまたま目に留まった洗心寮のホームページに載っている電話番号に電話していました。

何を話したかなんて覚えていません。電話口に出られた職員の方に誘導され、その1回の電話で直接会う約束までしてしまいました。

コロナで世の中が止まったままだけど、私たち家族は何かに引っ張られるかのように生活が加速していったように思います。

約束の日までの数日間、寝ても覚めてもホームページを読み漁り、施設の子ども達の現状など一通り把握したつもりでその日を迎えました。

まだ、この時点では私はやる気満々でしたが、主人は半信半疑だったのではと思います。

数日後、大雨の中私たちが住む武雄市まで来ていただき、話をするうち研修を受ける決意が決まりました。

順調に研修を受けていき、運命の日、施設研修で運命の人(里子)に逢ってしまいました。

その日は楽しい交流が終わり、帰りは寂しい気持ちになりながら帰ったように思います。

私は昔から直感?が鋭いのか、運命の人に逢った時から何かそうなるような気がしていたよ。笑

その後、里親登録まで終わりどうしていいかも分からず、養育里親なんて未知の世界に足を踏み入れた私たち夫婦は、

我武者羅に研修を受けることくらいしかなく、登録後9か月経った頃、今回の委託のお話を頂きました。

遅刻常習犯の私だけど、その日は児童相談所に1時間程前に到着するくらい緊張して行きました。今、思い出すと恥ずかしいですね。

児童相談所では、早く到着した私たちに合わせて、早めに話を進めていただきました。

皆さんが席に着かれる前、児相の担当者に「施設研修で会ったことありますよ。誰か覚えていますか。」と言われ、『〇〇ちゃんですか?』と即答しました。

案の定、その子でした。そんな気しかしませんでした。笑

しかし、その子の生立ち・境遇・現状など聴くうち不安になった私は、一旦家族で話し合います。と言おうかと思いましたが、

思わず主人の顔を見ると「委託の話しを進めてください。」と言った主人の顔を見て、何の根拠もないけれど私たちなら大丈夫と吹っ切れました。

それから交流が始まり、この数か月でいろんなことがありました。

今では、喧嘩もするけど仲良しですが、一番私に慣れるのが遅く悩んだ日もありました。

そんな時は、施設の先生・児童心理司の先生方に相談しながら少しずつ少しずつ心を開いてくれるのを待ちました。

今現在、委託前交流中ですが、毎週金曜日の夜に迎えに行き、日曜日に送る日々を送っています。幼稚園の卒園を待ち、本委託になります。

これからの生活が楽しみなようで、不安もあります。

家族が増えた分、困りごとも増えるけど楽しい事・嬉しい事もいっぱいですよね。きっと。

私たちの養育里親1年生が始まると共に、里子ちゃんも小学1年生になります。

いつまで我が家に居るのか分かりませんが、人生の先輩として自律のお手伝いができるように頑張りたいと思います。里子ちゃん、宜しくね♡