SAGAの里親さん
S里親さん~2022年さとおやこ文集より~
佐賀市の養育里親さん。出会って6年。里子に向けてのお手紙を紹介します。
休みの日には色々なところへ出かけて、たくさん思い出を作ってくださってます。
子どもと一緒に思い出を語ってくれる存在。子どもにとって一緒に思い出を語りあえる存在。
『6年目の君へ』
ちょうど五年前の1月に、君は我が家にやってきました。それは突然のことでした。
児童相談所からかかってきた電話で、急な事ですがすぐに委託したい子がいる、至急返事をお願いしたいと。後にも先にも、こんな急な依頼は前代未聞の事態だとは後々身に染みて感じることでした。その時は動揺しましたが、腹を括って受け入れることにしました。ですが、正直困惑したことも事実です。あまりにも急だったので、友達と会う約束や習い事はどうしよう、など不安を感じました。でも、児童相談所の担当者や行政、実親さんのご家族、そして何よりも保育園の温かい支援があってどうにか家に迎え入れることができました。
実子の十年前の育児なんて全く覚えておらず、いきなり夜中のミルク作りやおむつ替え、離乳食づくりと毎日が慣れない事ばかり、気持ちも全く余裕がなくて。でも、君と過ごす日々は本当に大変ではあったけど、とても良い経験で充実していました。
1歳では「ふみ餅」をしました。私がいたところでは「一升餅」を背負わせるのですが、こちらでは踏むと知って驚きました。そんな違いを知れたのも、君がいてくれたからです。
2歳では、1泊2日ではありますが、手術で入院を経験しました。幼い君が薬で眠っている姿は痛々しかったです。病院に付き添いで泊まるのも初めてでした。簡易ベッドはちょっと体が痛くなるので、今後また泊まる事がないよう健康でいて下さい。
3歳は七五三。ちょっとおしゃれな服を着て、神社でお参り。貴重な経験をさせてくれてありがとう!
4歳の年から、世界中で新型コロナが流行しました。世界的パンデミックのせいで、国内外の旅行ができなくなってしまいました。おうち時間が増えてしまいましたが、この間に君は字を書いたり、お絵描きをいっぱいするようになって、すごく絵が上手になりました。
5歳になった今では、「どうして?」「なんで?」の疑問がいっぱい。たくさんの質問に、大人はタジタジです。君の一つ一つの疑問は、新しい世界を模索しているんだと感じます。
君がいることで、君を理解したくて、里親の研修や子育ての勉強会に参加して知識を広げたり、とても充実した日々を過ごさせてもらっています。子育ては「親育て」でもあり、君から教え学ぶことはとても多いです。
我が家に来てくれてありがとう。今後もしばらくは、一緒に喜怒哀楽を共にし、お互いが笑顔でいられるようしっかりコミュニケーションをとっていける家族でいたいと思います。これからもどうぞよろしくね。